明確にすべきこと
コロナウイルスとインフルエンザ
コロナとインフルは似て異なる病気である。
通常インフルエンザの潜伏期間は数日で、症状も比較的早く出やすいのが特徴であるが、コロナウイルスに関しては潜伏期間が現状わかっているだけで最長2週間あり、また感染していても無症状ということが多い。しかしコロナを発症すれば症状がインフルより重く、最悪死に至る。
現在新型コロナウイルスを含め、
以下の7種類のコロナウイルスが存在する:
★通常型ヒトコロナウイルス
1 HCoV-229E (1960年代~)
2 HCoV-OC43 (1960年代~)
3 HCoV-NL63 (2004年~)
4 HKU1
★その他のヒトコロナウイルス
5 SARS-CoV (2002年~)
6 MERS-CoV (2012年~)
7 2019-nCoV(2019年~)NEW!!
上記の7つのコロナウイルスの歴史:
歴史
1960年代:
2つのヒトコロナウイルスが存在していた。
1. HCoV-229E
2. HCoV-OC43
2002-2003年: SARS-CoV
( Severe Acute Respiratory Syndrome )
(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)
中華人民共和国の広東省が発祥地。
宿主動物はキクガシラコウモリ(もしくはハクビシン)
であるが、ひょんなことから人間へ感染し蔓延。
2004年:HCoV NL63
2005年:HKU1
2012年: MERS-CoV
(Middle Eastern Respiratory Syndrome Coronavirus)
(中東呼吸器症候群コロナウイルス)
ヒトコブラクダが感染源。 人間に感染。
感染地域:中東地域
→韓国(2015年)→中国→サウジアラビア(2019~2020年現在)
現在も存在。
※MERS-CoVに関してはサウジアラビア人のごく一部
1%程に免疫抗体を持つ者が現れ始めた。
2019年12月: SARS-CoV-2 ( 2019-nCoV )
中華人民共和国の湖北省武漢市 が発祥地。
(新型コロナウイルスのCOVID-19は肺炎を指す。)
感染後の潜伏期間は2日~最大14日。
基本空気感染ではなく、
飛沫感染もしくは接触感染で広がる。
故に隙間の無い密閉できるマスク着用であれば、
基本的に水分を含むくしゃみやセキの伝播を防げる。
また何かを触った後に石鹸でしっかり洗う事を徹底すれば防げるものであると現状言われている。
分類
ヒトに感染すると知られていたコロナウイルス:
1960年代の2種類(HCoV-229E、HCoV-OC43)並びに
2004年のHCoV-NL63、2005年のHCoV-HKU1 の4種類。
上記の4種類のコロナウイルスに関してはヒトに容易に感染する為、
海を越えて世界中に蔓延している。
動物同士で感染すると知られているコロナウイルス:
豚流行性下痢ウイルス(PEDV)
豚伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)
鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)
マウス肝炎ウイルス(MHV)
猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)
※ただし、種特異性が高いので、
基本的に違う種を越えて他のに感染することが稀。
哺乳類に感染すると知られているコロナウイルス:
αコロナウイルス:
HCoV-229E、HCoV-NL63
βコロナウイルス:
MERS-CoV、SARS-CoV、HCoV-OC43、HCoV-HKU1
鳥類や魚類に感染する2種類のコロナウイルス:
γコロナウイルスとδコロナウイルス
新型コロナの陽性の事例
2020年 SARS-CoV-2 が動物に感染した事例:
2020月2月末:香港の17歳のポメラニアン(心臓病持ち)が新型コロナウイルスに感染。回復後に死。(ただし解剖は飼い主の希望により未実施)
(しかし陽性反応は鼻腔からのみである・検査中)
その後検査を実施した結果、
香港のポメラニアンと接触した他の犬17匹ならびに猫8匹を検査し、
そのうち犬2匹のみから陽性が出ていたとのこと。
2020年3月27日:ベルギーで猫1匹に陽性が出ていたことが発表された。
更に本猫に関しては呼吸器官系・消化器官系の問題が発生している。
2020年4月5日 NYのブロンクス動物園にて5匹のトラと3匹のライオンのコロナ感染が確認される。これらは人と同様、陽性でも症状のないパターンがほとんどだった。
ただそれゆえに感染が広まり、症状が出ていたのがナディア(♀トラ)であったことも事実である。
上記の事実と研究結果により、猫への感染が確認され、猫伝染性腹膜炎という症状が明らかになった。
ちなみにこの事実が大きく世界で広まり始めたのは4月。
日本国内では5月の2週目からである。
はっきりいって何においても認知されるのが遅い。
現状
風邪のウイルスHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1は
特に危険な病原体ではない とされている。
犬に関して
また、今回の新型コロナウイルスにより、
香港のシニアポメラニアンで鼻腔から陽性反応が出ているが、
確実に人間から犬へ媒介した可能性が高い。
ただ、犬への感染例は現状2件であり、猫に比べ感染率は限りなくゼロに違いというのが現状である。(4月10日現時点)
猫に関して
今回の新型コロナウイルスに関しては、
猫に対する感染事例が認められ、ベルギー、NYでは猫の呼吸器・消化器官の問題がみられた。
更に人から猫への感染だけではなく猫同士でも感染する事が判明している。(4月10日現時点・日本では5月2週目より認知された)
また、感染経路はくしゃみや唾液などによる飛沫感染である。
全体
人間から動物への感染は現状可能性が極めて低いとされている。
とはいえ、飼い主がコロナに感染した場合は確実にペットと距離をおくべきであり、現状ネコ科の動物には厳重注意が必要である。
2020年3月時点で、確実なワクチンもできていない(噂によると韓国あたりでできかけているらしいが未だ開発中らしい)ので、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 は解明されきれていない。
予備知識として:
動物から人間に感染する物はすべてZoonotic diseaseと表現される。
新型コロナウイルスに関してはこれに当たる
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出典:国立感染症研究所ホームページ
(URL: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html )
出典:「コロナウイルスとは」(国立感染症研究所)
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